1883年、「万年筆の祖」と言われているルイス・エドソン・ウォーターマンが新たな万年筆を開発したことが、ウォーターマンという会社の始まりです。
その後、フランスの洗練されたスタイルを取り入れながらペン作りをしてきたウォーターマンは、1926年、本拠地をパリに移し、1954年には工場をフランスに移転させ、以降全てのペンをフランスで作っています。その美しいデザインは、ドレスやジュエリーなどから発想を得たり技法を応用したりと、パリの文化を反映させています。
そして1900年、パリ国際博覧会で金賞を受賞したことからフランス中で認められ、フランス製のペンの象徴となりました。
私が愛用するウォーターマンは「メトロポリタンプライベートコレクション」というシリーズのボールペンです。
グリップ部は控えめな光沢を放つ朱色。キャップ部には弧を重ねた模様が掘られています。このグリップとキャップのコントラストがとても綺麗で上品です。どこか和風の雰囲気があるデザインですが、それもそのはず、「メトロポリタンプライベートコレクション」シリーズの中でもこの1本は日本をイメージして作られたそうです。
クリップにイニシャルロゴの「W」が入っていますが、このクリップ付きのキャップを世界で初めて作ったのもウォーターマンです。インクが漏れない万年筆を開発し、ペンを携帯品にすることに成功したメーカーならではの発想です。ロゴは滑らかな書き心地を表しているのでしょうか。「W」の曲線が特徴的です。随所にブランドのこだわりが感じられます。
このボールペンは夫からのプレゼントです。
それまでボールペンを消耗品としか考えていなかった私は、せいぜい全体的な大きさや色を選ぶ程度で、デザインの細かい部分を気にしたことはありませんでした。しかしウォーターマンが作るこの小さな製品には、細やかな技術と工夫と、繊細なデザインが施されています。私はこのボールペンを一目で気に入りました。
思えば子供の頃はペンや筆入れなどの文具にずいぶんと思い入れがあり、新しい文具を持って学校へ行く日は嬉しかったし、それが友達との話題でもありました。気に入っていたペンや消しゴムのことは今でも覚えているほどです。ウォーターマンのボールペンは子供の頃のように、私を喜ばせて、夫婦の話題にもなりました。
普段ペンを使ってなにかを書くということは減りましたが、重要な契約や買い物でサインをする機会はこれからもあるはずです。そんな時には必ずこのボールペンを持って行こうと思っています。ずっと大切に使い続けたい特別な1本です。
この記事のおすすめ
アフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています