東京都千代田区にある日本カメラ博物館では、日本のカメラの歴史を実物やパネルを見ながら知ることができます。展示されているカメラの数は約300点。実際には日本製のみならず外国製のカメラも数多く展示されています。
博物館の見どころ
入口前のスタジオカメラ
博物館の入口前に、昔の写真館で使われていた本物のスタジオカメラと椅子が置かれています。 館内は撮影禁止ですが、ここでは写真を撮ることができます。
日本の歴史的カメラコーナー
明治時代以降のカメラが並べて展示されています。昔のカメラはドイツのライカを手本にしているような印象がありますが、だんだんと日本独自の発展をしてきたことが分かります。
ライカコーナー
あまり見ることができない初期のモデルや、距離計、露出計、ファインダーなどの付属品が揃っています。初代ライカが発売される前に試作された、通称ヌル・ライカも展示されています。現存しているのは3台のみで、うち1台はオークションで約3臆円で落札されたというとても貴重なものです。
特別展エリア
期間ごとにテーマに沿った展示がされています。例えば私たちが行った時は、「プロに聞く!ジャンル別 写真の撮り方・カメラの選び方」というテーマで展示が行われていました。人物、動物、景色、乗り物、料理、小物、水中写真などそれぞれのジャンルのプロカメラマンが撮った写真と、使用したカメラやレンズなどが展示されていました。それぞれに、機材の選び方や使い方、撮影のコツなどの解説もありました。過去に開催された特別展が冊子になって販売されているのですが、どれも興味深いものばかりです。
カットモデル・スケルトンモデル
ニコンの一眼レフが縦に切断されていて、カメラの内部を横から見られるような状態で展示されています。1台のカメラに使われている全ての部品が分解されている展示もあります。キャノンのカメラだけとっても、EOS1、EOS kiss、オートボーイの3種類がモデルになっていて、部品数の差などが一目で分かります。
ディテクティブカメラ
一見カメラと関係のないものが並んでいるようなこのコーナーは、スパイが使う小さなカメラを展示しています。時計、缶、ライター、マッチなどの形をしたカメラや、ステッキ、ネクタイなどに仕込むカメラなど、映画に出てきそうなものばかりです。実際ライターは、映画『ローマの休日』で記者がオードリー・ヘプバーン演じる王女を撮影していたものだということです。そういった説明を音声で聞くことができます。
体験コーナー
実際に手に取って使うことができるカメラが置いてあります。昔のカメラは上から覗いてすりガラスに写る被写体を見るようになっています。これも映画などで見たことがありますが、ここで実際に体験することができました。
ミュージアムショップ
来館の記念になるようなグッズや書籍が販売されています。
写真展
併設されているギャラリーで写真展を見ることができます。私たちが行った時は「ミノックス写真展」が開催されていました。ミノックスは小型カメラ専門のメーカーです。専用のフィルムを使い記録用の写真を撮るカメラのため解像度は低いのですが、敢えてそのカメラで撮影した写真の展示会でした。
楽しみ方いろいろ
カメラが好きでコレクションしている夫は、初めて実物を見たというカメラも多かったようで一つ一つをじっくりと見ていました。一方私は「古いカメラの角ばったフォルムってカッコイイ」「キャノンのオートボーイ、懐かしい」なんてことを考えていました。カメラが好きな人はもちろん、私のように「写真を撮ることが好き」なだけの人にとっても楽しめる展示です。
特別展エリアでは主に興味のある人物写真、景色写真、水中写真の解説を読みました。そのうえでプロの写真を見るのは勉強になり、自分が写真を撮る時の参考になりました。
ミュージアムショップで手ぬぐいとピンバッジを買いました。手ぬぐいには貴重なカメラの絵が描かれています。ピンバッジはカメラバッグに付けています。
ミノックス写真展の作品はどれも味わいがあって、今までに見た写真展とは違った趣がありました。作品もさることながら、マニアックな趣味で繋がった出展者たちが、ギャラリーの入口で談笑している楽しそうな様子が印象的でした。
とても閑静な場所にある博物館なので、ゆっくりしたい休日の散歩コースに入れてみても良いと思います。