色も形もおしゃれなダイヤル式電話機

おしゃれなダイヤル式電話機

多くの人を魅了するデザイン

我が家に来た人は皆必ず「なんで同じ電話が3台もあるの!?」と驚きます。固定電話は1台もないという家も多い今、我が家には同じ電話機を3台並べて置いてあるのです。

理由は、デザインがカッコイイから。

ヤフオクを見ていたらいつの間にか色違いを3台落札していました。

この電話機についての予備知識がないままに買ったのですが、デザインの良さは評判なようで「雑誌で初めて見た時には、頭を何かでガツンと叩かれたような衝撃を受けた。」「もはや家宝です。」などと多くの人が称賛と共に電話機を紹介しています。

そして、日本の歴史あるグッドデザイン賞の外国商品賞に選ばれています。それだけではなく、世界中の “カッコイイ作品” が集まるニューヨーク近代美術館(MoMA)の収蔵品にもなっていて、多くの人を魅了したデザインであることが分かります。

おしゃれなダイヤル式電話機

このようにデザイン性が高く評価されている電話機ですが、 1980年に旧ユーゴスラビアのIskra(イスクラ)という会社から発表された「ETA82」というものだそうです。名前はなんともそっけないというかクールなネーミングですが、今から約40年前、ユーゴスラビアという日本人にとってあまり馴染みのない国でこのようなデザインが生み出されていたというのは興味深いことです。

今はユーゴスラビアという国はありませんが、Iskraという会社やデザイナーのその後に思いを馳せずにはいられません。

「ETA82」 を生み出した会社とデザイナー

Iskraは電気機械、電気通信、エレクトロニクスなどを手掛ける巨大企業で、1962年にはユーゴスラビアで最初のプロダクトデザイン部門を設立。デザインを戦略的要素と捉えて重要視していました。開発部門とインダストリアルデザイナーは製品開発を通して密接に協力しなければならないというセオリーを、既にこの時代に実践していた企業です。

今でこそ、Apple社などデザインに力を入れている企業はたくさんありますが、60年以上前にこのような活動をしていたというのはとても先進的です。

今はスロベニアの会社になっていますが、Iskraの社名は引き継がれています。

デザインをしたのはDavorin Savnik(ダボリン・サヴニク)という人です。1929年生まれ、リュブリャナというスロベニアの都市で建築と音楽を学び、その後チェコ共和国ゴットワルドの大学で工業デザインを学びました。Iskraではこの電話機の開発をはじめ、プロダクトデザインの基盤作りに貢献しました。ユーゴスラビア紛争によりIskraでは電話機の開発は中止されてしまいますが、Davorinはその後も精力的に活動し、2014年に85歳で亡くなる直前まで「Looking at Time」というアプリの開発を行っていました。

おしゃれなダイヤル式電話機

国と時を超えて我が家にやってきた3台のETA82。今も現役で、1台はちゃんと電話線を繋いでいるので使うことができます。

しかしそこは昔のダイヤル式電話機。転居の際、ひかり回線の工事をしてくれた若い担当者が「電話機はどちらにありますか?」と聞くので、担当者の目の前にあるETA82を教えると、今度は「・・・これ、どうやるんですか?」とのこと。無理もありません。

私たち夫婦も電話をかける時はスマホを使うので、この電話機を使うのは実家からかかってくる電話に出る時だけです。

時代遅れで出番の少ない電話機。それでも我が家のリビングの中心に置かれています。

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