食材の保存などに使うタッパーは、きっと多くの家庭で使われていると思います。中でも手頃な値段で買えるプラスチック製は昔も今も人気があり、おそらくこの先も愛用されるものだと思います。
40年以上前に買ったピッチャーの魅力
そんなタッパーですが、実はタッパーウェアブランズ・ジャパンという会社の商標なのです。そのため他のメーカーでは「コンテナー」や「~パック」などという言葉を使っています。
このタッパーウェアブランズ・ジャパンという会社を知らなくても、タッパーを持っている、使っていたことがある、という人も多いのではないでしょうか。私もタッパーウェアブランズ・ジャパンの製品を持っています。しかもおそらく40年以上前のものを。実家から持ってきた、「フレクシー」というプラスチック製のピッチャーです。いつ発売されたものなのか分かりませんが、幼少期には既に家にあり、麦茶などを入れて使っていたように記憶しています。
そんな使い古したものをわざわざ選んで実家から持ってきた理由は、色やワンポイントの図が可愛く、使い勝手がいいからです。

このピッチャー、実家でずっと使っていたわけではありません。いつのまにか母によって戸棚の奥にしまわれていたのです。代わって使われていたのは素材も形も違う新しい容器でした。その頃主流だったのかもしれませんが、本体は細長い瓶で、蓋は複雑な形状になっていてとても洗いづらかったのを覚えています。
しまわれていたピッチャーを見つけたのは私が社会人になってからです。見つけた時、懐かしく思ったのと同時に「可愛いし軽いし洗いやすそう。なんで使っていなかったんだろう?」と思いました。そして私が再び使い始めたのです。
コップに注ぐ時は蓋を少し斜めにして口を開けます。シンプルな形なので洗うのも簡単です。

25年間使ったピッチャーの実力
長いこと愛用していましたが、つい最近底から水漏れが始まりました。よく見るとわずかに亀裂ができています。
母が買ったのか、いつ買ったのか、今となっては分かりませんが、私が再び使い始めてからは20年くらい経っています。幼少期に使っていた期間を合わせれば、少なくても25年間は実際に使っていたことになります。その間、蓋の取っ手部分に削れたような傷はできましたが、それ以外に目立つ傷や汚れが付かなかったことに驚きます。これほど長く使うことができたキッチン用品はありません。それは品質の良さだけでなく、この素朴な色と形、そしてワンポイントの図に飽きなかったということです。改めて見るとこの図は何をモチーフにしているのか気になってきますが、おそらく当時はモダンで、今となってはレトロな味わいを感じさせるポイントになっていることは間違いありません。
タッパーウェアブランズ・ジャパンの製品は国内外でデザイン賞を受賞した経歴があり、今販売されている製品を見ても、色や形が綺麗で目を引くものが多くあります。同じワンポイントが入った商品を探しましたが、さすがにそれはありませんでした。
私の中で希少価値が高まったこのピッチャーは、ひとまず戸棚にしまっています。もしかしたら母も、何か理由があって使うのを止めたものの捨てることができず、また使う時まで大事にしまっていたのかもしれません。
ついに使い終えることとなり残念に思っていると、夫が「補修すればまだ使えるかもよ。」と言ってくれました。もしまた水を入れることができたら、花瓶代わりにしても可愛いかななどと考えています。