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団地リノベーションで叶う理想の住み替え②

MUJIのリノベーション

MUJI INFILL 0でリノベーションした家に引っ越して9ヶ月。収納方法で悩んだこともあったけれど、家具や家庭用品、DIYの工夫でより良い家になりました。そして冬になると省エネの効果が大きく表れてきました。

家を仕上げる無印良品と家庭用品とDIY

シェルフで作ったオープンな納戸

MUJI INFILL 0の設計と同時に、無印良品のインテリアアドバイザーと家具の打合せをしていきます。要となった家具はステンレスユニットシェルフ。サイズとパーツの組み合わせ次第でいろいろな用途に使えます。例えば、我が家では5台のシェルフをコの字に置いて、オープンな納戸にしました。18.5cm間隔で好きな位置に棚板を取り付けられるので、床から棚板までを広く開ければスーツケース置き場としてもぴったり。他にもアウトドア用品、日用品、本、飲料水のストック、シーズンオフの家電、災害時の避難セットなどいろいろな物を収納し、猫のトイレも設置しています。

このシェルフ、無印良品のモデルルームでは部屋を仕切るのに使われていて、ちょうどいい半個室の空間を作っていました。

MUJIのリノベーションと無印良品
オープンな納戸
MUJIのリノベーションと納戸
袋を使った収納が便利
MUJIのリノベーションと猫トイレ
猫のトイレも設置

キッチンで調和する便利な家具

キッチンの設備はTJMデザインによるMUJI INFILL 0のオリジナル、部屋を仕切る引戸もMUJI INFILL 0のオリジナルです。どちらもシンプルなデザインなので、家具も白とシルバーを基調としたシンプルなものを選びました。食器棚は高橋木工のものですが、ユニットタイプなので天板とボディを白、前板にはシルバーを選び、キッチンと調和するようにしました。型、色、サイズが豊富なのでどんな空間にも合わせられるし、品質はもちろん信頼できて、さすがの高橋木工です。

もうひとつ、なくてはならないものが無印良品のワゴンです。これは納戸に使ったシェルフのサイズ違いに、ステンレス棚とワイヤーバスケット、キャスターを付けたものです。キッチンとほぼ同じ高さなので調理台として使えて、バスケットは朝食やお菓子など食材がたくさん入り、下段にはお酒などを置いて、食事の時は料理を運ぶために使っています。

MUJIのリノベーションと無印良品
正面奥が食器棚、その手前がワゴン

玄関をお気に入りの場所に変えたDIY

MUJI INFILL 0の施工例を見るとどの家も土間の玄関がカッコイイ。私もそれに憧れたのですが、我が家の玄関は狭すぎて土間のカッコよさを生かせず・・・。設計の段階で相談すれば良かったのですが、その時は思い至りませんでした。そんな玄関、気に入っているところもあります。隣接する部屋との間に設置した横格子です。狭い玄関が閉鎖的にならないよう、暗くならないようにと考えた細めの横格子。既製品にイメージ通りのものがなかったので、夫がベニヤ板を使ってDIYしてくれました。格子の間から棚に光が差すと、小さな玄関が温かい雰囲気になります。

インダストリアルな空間と置きっぱなし収納

壁は塗装仕上げです。コンクリートの表情が見えてカッコイイし、猫が爪とぎできないのも嬉しいところ。ところどころアクセントとして塗装しなかった部分もあり、インダストリアルな雰囲気を楽しめます。黒いフレームに入れたパース画は、打ちっぱなしのコンクリート壁にとてもよく似合いました。玄関が狭くて置けなかったカートも、コンクリート壁の前なら置きっぱなしで様になります。このカート、折りたたむと自立しないので収納方法に悩んだのですが、タイヤを浮かせるように置けば転がらないし床も汚れません。玄関前なので持って出かける時も便利です。カート置きは私のDIYで、組み立てた木材をマットな黒で塗装したらアイアンのような仕上りになりました。

室内干しのカッコイイ物干し竿とミニマルなデスク

洗濯物の室内干し用に壁付けのワイヤータイプと天井付けのポールタイプがあります。これまでワイヤータイプを使ってきてその手軽さと目立たなさを気に入っていたのですが、新居では取り付け位置にワイヤーの長さが足りず、仕方なくポールタイプにしました。ポールは使わない時に取り外すことができるのですが、私がいちいちそんなことをするわけもなく、せめて目障りにならないようにとカッコ悪くない物干し竿を探しました。購入したのはDIYパートナーというシリーズのクラシコという商品です。この竿をポールにかけてみると、目障りにならないどころかむしろカッコよく、なにか最新の家電でもぶら下がっているように見えます。

その下には無印良品のスチール脚の木製デスクを置いて、洗濯物を干したり畳んだりする時に使っています。このデスクの良いところは奥行が浅めで脚が細いので、部屋の隅にさりげなく置けること。軽いので移動させるのも簡単です。

寝具の収納を助けた平台車

リノベーション工事から1年間、無印良品の買い物が15%OFFになるので、つい予定外の買い物もしてしまいました。その中で思った以上に役立ったのが平台車です。納戸で飲料水のストックを置いている他、寝室では寝具の収納に一役買っています。新居で寝具がしまいきれなくなり、捨てる予定だった押し入れ用の衣装ケースを使うことにしました。その衣装ケースを3台連結させた平台車に乗せ、横向きにしてデッドスペースに収めるという荒業です。ケース自体を簡単に動かせるので、寝具の出し入れも床掃除も可能です。

そして冬用の羽毛布団は保管サービスを利用することに。カジタクでは、クリーニング代に1,100円プラスすれば適切な場所で9ヶ月間まで保管してくれます。冬前に出庫して宅配してもらった布団は、そのまま気持ちよく使い始めることができました。

家の省エネ性能

リノベーション後の電気使用量

リノベーションが終わった後、『省エネルギー性能報告書』というものをもらいました。それには、国が定める3つの基準すべてで最高等級であること、そして年間の光熱費の試算が記されていました。よく冬場の暖房使用量が減ると聞くけれど、住み始めてからの感想は・・・エアコンを使わない時間が増えたような気がする、床暖房はなくても大丈夫、夜中トイレに起きた時に寒くない、という程度の体感。期待したほどの実感はなかったのですが、電気使用量を確認してみると驚くほど減っていることが分かりました。

電気使用量(kWh)転居後8ヶ月間と前年同月の比較

7月8月9月10月
以前の家343461411325
新居319489330247
11月12月1月2月
以前の家4096371,014984
新居269368 505551

8月は少し増えているものの寒い時期ほど減り幅が大きく、1月は半減しています。家が違うので単純に比較はできませんが、有利な条件も不利な条件もどちらの家にもあるので、やはり省エネ性能の効果は大きそうです。おかげで、電気料金が値上がりしているにもかかわらず、平均で1,000円安くなっています。

電気料金 転居後8ヶ月間と前年同月の比較

7月8月9月10月
以前の家9,02012,10011,0058,879
新居11,23117,96512,2069,449
11月12月1月2月
以前の家11,38218,00729,23329,618
新居10,72815,74022,57520,907

また、省エネリフォームは国土交通省の補助の対象なので、我が家も一般家庭の上限額30万円が補助金として交付され、それもお得感につなっがています。

MUJIのリノベーション
たくさんの断熱材

これからの家

欧米では既存の住宅をカスタマイズして住むのが普通で、新たに家を建てることは少ないと聞いたことがあります。たしかに映画などでも、住人が古い家にペンキを塗ったりDIYをしているイメージがあります。そうやってメンテナンスしながら代々引き継がれた家は、日本と違ってその価値が下がらないどころか、場合によっては高まるそうです。『デンマークのヴィンテージ食器』でも書きましたが、北欧の人たちがモノの経年をポジティブに捉えることと、欧米の人たちの家に対する考え方は通じています。日本でも中古品や古着を売買することが根付き、また世界中で資源保護の意識が高まるなか、住宅も中古をリノベーションして住むことがスタンダードになるのではないかと感じています。

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