いつも猫たちの天真爛漫な様子には癒されますが、同時に止めてほしい行動もいろいろとあります。猫に分かってもらおうとトレーニングしても上手くいかなかったことが多く、一度は気の強いアリスから仕返しされたことも。そのとんでもない仕返しエピソードはこちらの記事で▼
今はできるだけ自分たちの習慣を変えたり環境を変えたりすることで乗り切っています。相手は幼児と同じなので、自分でできることで対応したほうが早いしストレスがありません。言ってみれば、自分のトレーニングです。
我が家で行った猫のトレーニングと自分のトレーニング、成功したことと失敗したことの話です。
食事中のテーブルに上がったり盗み食いをする
ホクとモアナは子猫の頃から食欲が旺盛で、我が家に来てからの3ヶ月間は毎食テーブルに上がっていました。フードカバーを買い、お皿の周りにいろいろな物を置いてガードを試みましたが、それらを押しのけて食器まで落としそうになることがあり危険でした。他の部屋に連れて行くと鳴きながらドアを開けようとするので、それはそれで落ち着かず、急いで食事を済ませ遊んであげることで気をそらしていました。
対応策を調べるといろいろなトレーニング方法が教示されているのですが、長期間に及んだ場合のことを考えると、準備や後始末が大変なものや猫に対して心苦しいような方法では却ってストレスになります。我が家では単純に、根気強く淡々とテーブルから降ろすことを繰り返しました。
効果はなかなか出ず、ゆっくり食事することはもう無理なのではないかと本気で思っていましたが、3ヶ月経ったくらいでしょうか、ある日パタリと食事中に来なくなりました。猫って時々こういったことがあります。
食事中に来なくなっても盗み食いは続きます。私が楽しみにしていたお饅頭が無くなり包装フィルムだけが残っていたこと。食べた形跡のある栗ご飯のおにぎりが床に落ちていて、夫の夕飯が栗ご飯から白飯になったこと。かつて実家では、綺麗に身を食べつくした煮魚の骨だけが床に落ちていたこともありました。(初代猫アリスの仕業でした。)
これらは、猫の手の届くところに食べ物を置きっぱなしにしていた私が悪いと思い、油断せずに片付けるよう心がけています。
壁やファブリックで爪とぎをする
ホクとモアナが爪とぎ用品以外も使うようになってしまいました。ホクはソファ、モアナは柱と壁です。ファブリックのソファはあっという間にボロボロに。壁もよく見るとクロスが破れていました。
ソファや壁クロスの補修はさておき、防止策として爪とぎ用品を増やすことにしました。
2匹の爪とぎのスタイルは、ホクは対象物の上にまたがってバリバリするのが好みで、モアナは立って柱や壁の角でカリカリするのが好みです。そのためホク対策としては、ソファにカバーをかけて爪とぎができないようにし、床置きの爪とぎを増やしました。ちなみにソファのカバーにしているのはひざ掛けとブランケットで、腰掛ける時はそれらを防寒に使っています。そしてモアナ対策としては、爪とぎをする壁の前にはスタンド式の爪とぎを置き、柱には木の板を両面テープで貼り付けました。
今2匹は新しい爪とぎと木の板を喜んで使っています。ソファ、柱、壁では爪とぎをしなくなりました。
人の手や足を噛む
トレーニングに失敗したのが、ホクとモアナの噛み癖を子猫のうちに直せなかったことです。先代の猫たちは噛み癖がなかったので、初めて経験する子猫の甘噛みを可愛く思い、止めさせずについ眺めてしまっていました。一貫したトレーニングを怠った結果、今でも噛み癖は直っていません。
嬉しい時にうっとりした顔で甘噛みするのは痛くないのですが、かまってほしい時やご飯を催促する時に噛んでくるのはけっこうな痛さです。困ったあげく、噛んだり舐めたりする行為を矯正するための『ビターアップルダバー』という商品を買いました。猫の嫌いな苦味でトレーニングするというものですが、ホクは匂いだけでも急いで逃げます。ただ、ホクもモアナも噛んではいけないと理解した様子はなく、一時的な防御策にしかなっていません。
遊んでほしくないもので遊ぶ
ホクとモアナは飽きっぽいので与えるおもちゃにも悩みますが、一方で大事なものを勝手におもちゃにされて困ることも多々あります。
観葉植物
モアナは野良生活をしていた頃からよく木登りをして遊んでいたそうです。そして運の良いことに、もらわれた先(我が家)にも小さな木がありました。モアナは目をらんらんとさせながらグラグラ揺れる木に乗り、葉っぱに手を伸ばしたり、落ちそうになって枝にぶらさがったり、生き生きと遊んでいました。
細い枝は少しずつ反っていき、ある日モアナが脚をかけた瞬間に折れてしまいます。木から落ちたモアナは折れた枝の前でなぜかハイテンションでした。
割れやすいもの
私が中学生の頃の話です。ある日、アリスがカチャンカチャンと何かを転がして遊んでいたので見てみると、おもちゃにしていたのは私がおこづかいを貯めてディズニーランドで買ったガラス細工の白鳥でした。もちろん白鳥は割れていました。
最近では、カエルの石像をホクとモアナが気に入り、体を擦り付けて倒してしまうことがあります。ずっしりと重く安定感があるものなのですが、2匹の力には敵いません。
紙製品
我が家で一時期、新しいトイレットペーパーがなぜか破れているということが続きました。不良品なのか、運搬や品出しが乱暴なのかと腹立たしく思っていたのですが、原因はモアナでした。買ってきたトイレットペーパーを片づけるまでの間にモアナが噛んでいたのです。
かつてはアリスが、箱から次々とティッシュが出てくるのを面白がって、全部かき出して遊んでいた時期があります。人がいない間にやるので、帰宅すると部屋中にティッシュが散らばっていたことが何度もありました。
謎のもの
ある小正月、気づいたらモアナが埃だらけになっていて不思議に思ったことがあります。後から、埃ではなく“どんと焼き”でもらった灰だと分かりました。隠していたのを見つけたようです。
また、朝起きたら部屋にウレタンのようなものの破片が落ちていたこともあります。まあまあの大きさだったにも関わらず、いくら探してもどこから出てきたものか分かりませんでした。同じことが2回あったのでその製品は大きく欠損しているはずなのですが、未だに何のウレタンなのか分かりません。
謎のものは防ぎようがありませんが、大事なものや割れやすいものは置く場所を考え、片付けるものはすぐに片付けるというのが私のやるべきことです。猫との楽しい生活を望んでいるのに、効率の悪いトレーニングで猫がストレスを抱えたり自分自身がストレスを感じるようでは本末転倒です。まずは自分のトレーニング。猫のトレーニングは最低限のことに絞って行うのがコツだと思います。