買い物をする時、いろいろと探してみるものの最後に落ち着くのは自分にとって馴染みのメーカーだったりします。我が家の場合、小型家電では「BRAUN」がそんな存在です。
機能美が魅力の過去の名作
真空管ラジオ『RT-20』
BRAUNといえば日本ではシェーバーのイメージが強いと思いますが、1923年ドイツでラジオ部品の製造会社として始まりました。その後、ラジオ本体やレコードプレーヤーなどのオーディオ製品を手掛けるようになり、世界的なブランドに成長します。
我が家のリビングに置かれているのは、1960年頃に発売された真空管ラジオ『RT-20』です。必要最小限のものが整然と配置されていて、ドイツ語が読めなくても直感的に操作できるインターフェースデザインはとても現代的です。
これを生み出したのはBRAUNのデザインリーダーだったディーター・ラムス。バウハウスの影響を受け、そしてAppleのスティーブ・ジョブスに影響を与えたと言われている人です。
電卓『ET23』
我が家の書斎に保管されているのが、1977年に発売された電卓『ET23』です。黒1色の本体に丸いボタンが並んでいて、そこに余計な要素はまったくありません。『ET23』のデザインは前述のディーター・ラムスと、同じく多くの名作をBRAUNに残したディートリッヒ・ルブスによるものです。
普段スマホの電卓機能を使っている人も、このBRAUNの電卓のデザインに見覚えがあるかもしれません。初期のiPhoneに入っていた電卓アプリはBRAUNの電卓がモデルになったと言われています。スティーブ・ジョブスのBRAUN好きは有名で、Appleの製品にはBRAUN製品をモデルにしたと思われるものがいくつもあります。
伝統的なスタイルを引き継ぐ現代の製品
アラームクロック『BC02X』
この時計も1度はどこかで見たことがあるのではないでしょうか。完成されたデザインとして1980年代から変わらない定番のシリーズで、そこに実用性の高い機能を加えたのがアラームクロック『BC02X』です。角を落とした四角い本体に丸い文字盤。すっきりしていて時間が見やすく、どこに置いても馴染む時計です。我が家ではキッチンで使っていますが、場所を取らず清潔感のあるデザインはキッチンにもぴったりです。
置時計を探すと、思いのほか“ちょうどいいデザイン”が少ないことに気づきます。妙に凝り過ぎて肝心の時間が分かりづらかったり、反対にまったく無機質だったり、なかなか良いものが見つかりません。そのような中で目を引いたのはどれもBRAUNの時計でした。
電気ケルト『ピュアイーズ』
アラームクロックと一緒にキッチンで活躍しているのが電気ケルト『ピュアイーズ』です。ユーザーインターフェースに優れている製品です。取っ手は程よい太さで持ちやすく、水を入れる時も注ぐ時も安定感があります。取っ手の上部に蓋を開けるボタンが付いていること、取っ手の下部が開いている形状でその下に電源スイッチが付いていること、これにより水を入れて沸かすという動作がスムーズになります。電源スイッチを押すと「カチッ」という心地よい音がして優しい緑色が点灯し、お湯が沸いた時にも「カチッ」、そして消灯します。もちろん注ぐ時の液だれもありません。分かりやすく、使いやすく、それを損なわないようにカッコよく。そのバランスが絶妙なデザインです。
手掛けたのはBRAUNのハウスホールドデザインチームで、このチームは世界最大級のデザインコンペ「PLUS X AWARD」で、2016年度「デザインチーム・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。どうりで隅々まで考え抜かれているわけです!
99年の歴史で変わらないこと
BRAUNの製品には、オーディオの時代から変わらない共通点があります。シンプルなデザインと、ユーザーの事を考え抜いた機能性です。それは長く使えることに繋がります。
オーソドックスな形から逸脱せず、それでいて洗練されたデザイン。それは年齢を問わず、国や文化も超えて親しまれるものです。実際BRAUNは「デザインによる一時的な見栄えの良さや、流行、仰々しさ、派手さ、押しつけがましさといった要素を意図的に避けている」と言っています。
もちろん機能性、品質も間違いありません。ディーター・ラムスは機能性を大事にしたそうです。それがそのままBRAUNの哲学になっています。私は10年前に買った電動歯ブラシを今でも使っていますが、これまで不満も不具合もありません。
買い物をする時、いろいろと探してみるものの最後に落ち着くのは、「やっぱりいいな。」と思わせるメーカーです。
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