先住猫と子猫

先住猫と子猫

初対面から仲良くなるまで

私の実家で一緒に暮らした猫、アリスとチー。アリスは甘えん坊でオテンバな女の子、チーは大人しくておっとりした女の子でした。

2匹に血の繋がりはなく、アリスがうちに来て5年経った頃にチーを迎えました。その頃のアリスは人間の年齢に換算すると36歳くらいでしたが、オテンバが落ち着くことはなく、相変わらず家中を走り回ったりイタズラばかりしていました。

生まれたばかりのチーを引き取ることにして一番心配したことはアリスの反応です。怒らないか、攻撃しないか。仲良しとまでいかなくても、せめてお互いストレスやトラブルがない関係になってほしい。

猫のキーホルダー

当時2匹を隔離することを考えなかった私は、チーを連れて帰るとすぐに2匹を対面させることにしました。ひとまずチーが入っているベッドをアリスの目に触れないところに隠し、その傍らでドキドキしながら待っていると早速アリスが部屋に来ました。すぐにチーの匂いに気づいたアリスは部屋の入口で立ち止まり、見えない敵の気配をうかがうように辺りを見渡した後、空中に向かって「シャーッ」と威嚇をしたのです。心配していたことが起こって私は2匹から目が離せなくなり、学校に行くときは母に注意してもらっていました。

先住猫と子猫

当時はインターネットが一般的でなかったために、3、4日経った頃にようやく本の中に解決方法を見つけ、私はすぐにそれを実行しました。ある飼い主さんが行ったという方法に習い、アリスのおしっこをコットンに取ってそれをチーの額に擦り付けたのです。今調べればこれより良い方法が見つかると思いますが、これはこれで功を奏したようで、その後のアリスの様子に変化が表れました。自分の匂いがするチーにおそるおそる近づくようになったのです。でもほんの一瞬です。すぐに急いで距離を取ります。アリスは困惑していたのかもしれませんが、威嚇することはなくなりました。

近づく時間が少しずつ増えていき、そして突然その時が来ました。チーが来て1週間経った日です。アリスはチーの匂いを嗅いでからペロペロとグルーミングを始めたのです。その日からアリスはすっかりお母さんのようになりました。

本当の親子のような2匹

日ごとに成長するチーはあっという間に歩けるようになり、行動範囲が広がり、家中を歩き回るようになりました。そんな時アリスはだいたいリビングに待機していて、チーが鳴いたり危ないところに行くとすぐに飛んでいき、チーをくわえてリビングに戻ってきました。あれほどオテンバだったアリスが、自分が遊ぶのではなくチーの遊びを見守るようになったのです。それは私にとって少し寂しいような嬉しいような変化でしたが、家族が増えたことはアリスにとって幸せなことだったと思います。

チーはもちろんアリスのことが大好きでした。一緒に遊びたくてしょうがないチーは、飛びかかったり、仰向けになって取っ組み合いに誘ったりしながら、アリスの後を付いて回っていました。こうなると面倒見の良いアリスもさすがに疎ましいようで、明らかに迷惑そうな表情をしていました。そしてある時、我慢の限界がきたアリスはチーを避けて部屋の隅に行き、壁に向かって「シャーッ」と怒ったのです。ストレスが溜まってもチーに直接怒ることはしなかったのです。生後1週間で母猫と離れることになったものの、優しいアリスと暮らせたチーもまた幸せだったと思います。

チーが大人になると2匹の関係が少し変わってきました。遊び盛りが過ぎてのんびりと過ごすことが多くなったチーに、アリスのほうからかまってほしそうに近づいていくことが増えました。時にはチーが疎ましそうにすることもありましたが、いつもグルーミングをしあい、寄り添って寝ていました。そうやって2匹は10年間を一緒に過ごしました。

性格が正反対のアリスとチー。でも2匹は本当の親子のようでした。

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