猫を迎えて変化した生活と考え方

ソファで寝る猫

私が猫と暮らし始めたのは中学1年生の頃。気づけば30年以上猫たちと暮らしてきました。“猫がいる暮らし”と“猫がいない暮らし”ではいろいろな違いがあります。その1つが「猫がいるといろいろなものを奪われる!」ということです。日々の生活の中で奪われているものと、それによって自分がどう変わったかについてです。

奪われるもの①「朝ゆっくりすること」

朝ゆっくり寝たい時も、それを許してはくれません。例えば初代猫のアリスの場合は「遊んでほしい」というのが理由でした。布団から手や足が出ていようものならそれを勝手にオモチャに見立てて飛びついてくるのです。怖くておちおち寝ていられませんでした。アリスは早朝にカーテンを開けるという技も身に付けていました。

今一緒に暮らしているホクとモアナも朝起こしに来るタイプです。ホクはオモチャをベッドの上に持ってきて、ぴょんぴょん跳ねながら遊び始めます。完全に嫌がらせです。

オモチャを持ったまま寝る猫
遊び疲れて寝るホク

モアナの場合は「ご飯ちょうだい」です。枕元をウロウロしながら頭や顔をいじってきます。ご飯をあげるまで執拗なアピールが終わらないので、とりあえず起きてご飯をあげることが1日の始まりです。

おかげで、朝ダラダラしがちな私が起きたらすぐ動くようになりました。人間は、やらなければならないことがある時やり始めるまでにストレスを感じ、やり始めると途中で止めることにストレスを感じるそうです。これはよく分かります。朝起きた直後からいわば強制的に働かされるようになって、やらなければならないことが早く始められるようになりました。

ソファで寝る猫

奪われるもの②「家事の段取り」

ホクとモアナが我が家にきたばかりの頃、家事にかかる時間がそれまでの倍になりました。とにかくすべての家事を邪魔してくるのです。

例えば洗濯。洗濯機を開けると、まず入ります。ホクを引っ張り出しているとその間にモアナが入ります。モアナを出している間にまたホクが。このループからやっと抜け出して洗濯を始めても、洗濯機の上でウロウロしている2匹が操作ボタンを押してしまい、気づいたら一時停止になっているということもあります。室内で洗濯物を干し始めるとなぜか私の背中に飛び乗ってきます。モアナは洗濯ネットが好きで奪い取ろうとします。洗濯物をたたもうとすると上に座ります。しまおうとすると引出しに入ります。

最初の頃は家事がまったく進まず本当に大変でしたが、今は柔軟に動くことで自分のペースを保っています。洗濯を邪魔されて進まなくなったら途中で止めて掃除に移行。掃除が進まなくなったらキッチンへ移動。興味がキッチンに向いたところで洗濯に戻る。

外因に振り回されるのではなく、自分がフレキシブルに動く。なんだか職場で出てきそうな話ですが、実際いろいろな場面で役立つ心構えだと思います。

ソファを占領する猫

奪われるもの③「食べ物」

3代目のたまは人の食べ物に興味を示しませんでしたが、他の猫たちは皆1度は盗み食い事件を起こしています。特に大変だったのはやはりホクとモアナです。我が家に来てからの3ヶ月くらいは毎食テーブルの上で攻防戦が繰り広げられました。

対策を調べればいろいろな方法が出てくるのですが、いずれも長期にわたって続ける必要があるので、準備や後始末が大変なものや自分たちも心苦しいような方法ではそれ自体がストレスとなり本末転倒です。もちろんすぐに覚えてくれる聞き分けのいい子もいますが、そもそもそういう子はこちらが悩むまでもなく、手で制したりテーブルから降ろすだけですぐに諦めてくれます。

好奇心が旺盛で諦めの悪いホクとモアナの場合、長期戦になることは必至でした。私たち夫婦はとにかく根気よくテーブルの上から降ろすことを繰り返しました。その際、「ダメ!」と言ったほうがいいとか、かまってもらっていると勘違いするから無表情でなにも言わないほうがいいとか様々な意見がありますが、どちらにしても一貫したほうが良いと思います。アリスもテーブルに上がる癖があり、その頃は「ダメ!」と言いながら覚えさせようとしましたが、諦めるどころか仕返しをされたことがありました。

その経験があったので、ホクとモアナには淡々とした態度でテーブルから降ろすことを試しました。その効果なのか、ただ単に飽きたのか分かりませんが、3ヶ月くらい経った頃に突然、食事中のテーブルへは来なくなりました。テーブルへ上がること自体は今も続いているのですが、食事中に来なくなっただけでも上出来と思うことにしています。

イスで寝る猫
ダイニングテーブルの前で

なんとか収束した食事中の攻防戦ですが、食べ物を出しっぱなしにしていればホクとモアナに食べられてしまいます。食べ物に限らず、例えばトイレットペーパーもそうなんですが、猫の標的になりそうなものはすぐに片づけるようになりました。買ってきたトイレットペーパーをわずかな間でも置きっぱなしにすると、見ていない時にモアナがかじってしまうのです。紙が破れているのはモアナの仕業だと気づくまで、「最近、不良品が多いなぁ」と腹立たしく思っていました。そんなこともあり、「ちょっと休憩」という言い訳が多かった私でも以前より出しっぱなしが減りました。

奪われるもの④「テーブルやソファ」

デスクワークをしたい時も休憩したい時も、好きな時に好きな場所が使えるとは限りません。既に猫たちがいたりするのです。部屋を移動してノートパソコンを開くと、なぜか来ます。ダイニングテーブルのような広いスペースでもわざわざパソコンの前に寝そべるので、画面もキーボードも見えなくなります。

パソコンの前に寝る猫
パソコンの前を占領

パソコンをずらしても一緒に付いて来るし、気をそらそうと席を立つとその時は付いて来ずにイスを取ります。しょうがないのでイスの前半分にそっと腰を下ろします。

イスに座る猫

イスにしがみついている時もあります。ローテーブルでは上でも下でもしがみついています。

休憩をしたくても、ソファはホクとモアナが占領していることが少なくありません。ソファに置いていたひざ掛けも取られて、枕は踏み台にされたり足蹴にされています。ソファを諦めて座布団を持ってくれば座布団を取るし、スマホを見始めると画面をいじり始めます。

パソコンワークを邪魔されるのは困りますが、スマホに関しては息抜きで見始めたら止められなくなったという状況が多いので、ホクに邪魔されることで踏ん切りがつきます。朝も日中も、ダラダラする私を動かしてくれるのは猫たちです。

奪われるもの⑤「ベッド」

こうして猫たちとの1日が終わりますが、就寝時も彼らは容赦ありません。たいてい私より先にベッドで寝ていたのがチーです。チーは布団に潜って中でジャンプをし、布団をかまくらのような形にするという技を持っていました。かまくらの中で気持ち良さそうに寝ている顔を見ると、そこへ入ろうとする私のほうがチーの邪魔をしているような気持ちにさせられました。

夜中に寝苦しさで目が覚めるとホクが勝手に私の腕を枕代わりにして寝ていたり、モアナが私の首に覆いかぶさって寝ていたりします。ベッドの真ん中でホクやモアナが寝ていて、気づくと私が端で小さくなって寝ている時もあります。あまりの堂々としたその姿を見ると、なぜか私のほうが遠慮してしまいます。

ベッドを占領する猫

どんな体勢でも図太く寝られるようになった私ですが、早く就寝することを心掛けるようにもなりました。いつ目覚めてしまうか分からないので睡眠時間を確保するためです。結果的に十分な睡眠をとれる日も多くなりました。

猫がいる暮らしでは思い通りにいかないことも多いですが、前向きに考えれば楽しいことに変わり、そんな生活がかけがえのないものになっていきます。我が家だけではありません。こんなことをされた、あんなことをされたと愚痴を言う猫好きたちのその様子は、明らかに嬉しそうです。いろいろなものを猫たちに奪われる暮らしの楽しさを、もっと多くの人が知ってくれたら嬉しく思います。

枕の上に座る猫
枕を踏み台にするモアナ
ソファで寝る猫
枕を足蹴にするホク
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